断ることって、どうしても勇気がいりますよね。
「自分が我慢してすむならいい」と思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、そのやさしさが続くほど心は少しずつ苦しくなっていってしまいます。
断れない人ほど、実は自分がお願いをするときにも「断られたらどうしよう」と不安を感じやすい傾向があります。
断られることを拒絶のように受け止めてしまい、頼ることができず一人で抱え込んでしまうんですよね。
一方で、頼まれても断れる人は「断ること=拒絶ではない」ことを知っています。
「相手を否定しているわけではなく、ただその人の事情や都合があるだけ」だと分かっているのです。
質問者さんもきっと予定がいっぱいでどうしても無理なときには、断ることができると思います。
それは相手が嫌いだからではなく、ただ「今はできない」という状況があるだけなんですよね。
まずは、そのことを心にとめておいてください。
そうはいっても、やっぱり相手の反応って気になりますよね。
それは、人の気持ちを深く思いやれる証拠です。とても素敵な強みです。
ただ、自分の気持ちを伝えないままでいると、相手は悪気なく同じことを繰り返してしまうことがあります。
そして、自分だけが我慢を重ねていくうちに少しずつ傷ついて、相手が悪い人に思えてきたり、どんどん嫌になって関係が続かなくなってしまうこともあります。
「断れない自分」は、幸せな人が相手にいるときしか成り立ちません。
けれど、もしその関係が壊れてしまえば、幸せな人が一人もいなくなってしまいます。
だからこそ、「断れる自分」になれたら、お互いが幸せな関係を築けるようになります。
そして、断ることは0か100ではありません。
「この部分は難しいけど、ここまでだったらできるよ」
というように、間にはグラデーションがあります。
まずは少しずつ、断る練習をしてみてくださいね。
相手のために自分を削る必要はありません。
あなたが自分を大切にできることが、相手にとっての幸せにもつながっていきます。
どうか、自分の気持ちを尊重してあげてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
共感タイプ
あなたは、人の気持ちにとても敏感で、相手の立場に立って考えようとする優しい一面を持っています。
心理学では、こうした傾向を「高い共感性(エンパシー)」と呼びます。
共感性が高い人ほど、他者の感情を自分のことのように感じやすく、相手の不安や悲しみを自分の中にも取り込んでしまうことがあります。
そのため、「断る=傷つける」と無意識に感じてしまい、つい我慢してしまうのです。
でも実は、その思いやりの深さこそがあなたの大きな魅力であり、人が安心して頼れる理由でもあります。
あなたの優しさは、誰かを救う力を持っています。
だからこそ、その優しさを少しだけ自分にも向けてあげてくださいね。
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