夜、布団に入ったのに眠れない。
明日の仕事のことを考えると、胸がざわついて頭の中が止まらなくなる。
- 「ミスをしたらどうしよう」
- 「またあの人に嫌な顔をされるかもしれない」
- 「今日のあの言葉、やっぱり私のことを責めてたのかな…」
そんなふうに考えがぐるぐる回ってしまい、余計に眠れなくなった経験はありませんか?
不安で眠れなくなるのは、あなたが弱いからではありません。
それだけ毎日、人間関係の緊張や仕事のプレッシャーの中で頑張っている証拠です。
この記事では、そんなあなたが少しでもラクになれるように、まず 「今夜すぐできる対処法」 をご紹介します。
そのうえで、「なぜ同じような不安が繰り返されるのか?」という 根本的な原因を整理するヒント もお伝えします。
読み終えるころには、「自分の不安の正体」と「心を少し軽くするための行動」が見つかるはずです。
なぜ夜になると不安で眠れなくなるのか?

夜は、昼間よりも不安が強まりやすい時間です。
静かになって一人になると、どうしても思考が内向きになりやすく、「今日のこと」「明日のこと」を繰り返し考えてしまいます。
さらに、日中のストレスで心と体が緊張状態のままになっていると、自律神経のバランスが乱れ、体は眠りたいのに頭だけが冴えてしまうこともあります。
- 布団に入ったのに目がさえて眠れない
- 嫌な出来事を何度も思い出してしまう
- 「また眠れなかったらどうしよう」と考えて余計に焦る
こうした状態は、決してあなただけではありません。
不安と睡眠不足はお互いを悪化させる“悪循環”をつくるので、同じ悩みを抱える人はとても多いのです。
だからこそ、まずはこの悪循環を少しでも断ち切るために、「今夜すぐにできる応急処置」 を試してみましょう。
今夜できる“応急処置”の方法

眠れない夜を一瞬で解決する魔法はありません。
けれども、ちょっとした工夫で「不安が和らいで、体も心も落ち着く」ことはできます。
ここでは、今日からすぐに試せる方法を5つご紹介します。
呼吸法やストレッチで体をゆるめる
不安で胸がざわついているとき、頭を落ち着かせようとしても難しいものです。
そんなときは、まず体から緊張を解いてあげましょう。
- 4秒で息を吸う → 4秒止める → 4秒で吐く → 4秒止める(ボックス呼吸)
- 肩をすくめて一気にストンと下ろす
- 首をゆっくり回す
体がゆるむと交感神経の働きがおさまり、副交感神経が優位になります。
つまり「戦闘モード」から「休息モード」に切り替わりやすくなるのです。
さらに、呼吸に意識を集中すると「今ここ」に心が向きます。
その結果、頭の中で余計な思考がぐるぐるするのを自然と防いでくれます。
不安を書き出して頭の外に出す
頭の中で考え続けると、不安はどんどん膨らんでいきます。
そこでおすすめなのが「紙に書く」ことです。
やり方は簡単。寝る前に心配ごとをノートに書き出し、机に置いてベッドには持ち込まない。
「この不安は紙が預かってくれる」と思うだけで、気持ちが少しラクになります。
これは心理学で「オフロード」と呼ばれる方法で、脳は“処理を終えた”と感じて思考を手放しやすくなります。
つまり「覚えていなくても大丈夫」と安心できるので、ぐるぐる思考が落ち着きやすくなるのです。
スマホを遠ざけて、照明を落とす
スマホの光は脳を覚醒させ、不安を増幅させる原因になります。
眠る1時間前にはスマホを置き、照明も少し暗めにしてみましょう。
光を浴びると「メラトニン」という眠気を促すホルモンが出にくくなります。
逆に光を落とすことで、体は「そろそろ眠る時間だ」と理解し、自然な眠気が訪れやすくなります。
さらに、スマホが近くにあるだけで脳は「気になる対象」として認識しています。
物理的に遠ざけることで、余計な刺激が減り、休息モードに入りやすくなるのです。
入浴で“体温リズム”を整える
眠りに入るには、深部体温がゆるやかに下がることが大切です。
就寝の2〜3時間前に40℃前後のお風呂に入ると、ちょうど眠るころに体温が下がり、自然に眠気が訪れやすくなります。
「温めてから下がる」という流れは、脳にとって「休んでいいよ」という合図。
寝る前に軽く体を温めるだけでも、安心感が増して眠りに入りやすくなります。
「眠れなくても大丈夫」と自分に許可を出す
「絶対寝なきゃ」と思うほど、ますます眠れなくなるものです。
そんなときは、「眠れなくても横になって休むだけで体は回復している」と自分に言ってあげましょう。
不安の多くは「◯◯しなければ」という思い込みから強まります。
“完璧に眠る必要はない”と許可することで心の緊張がほどけ、逆に眠気を受け入れやすくなるのです。
でも…繰り返す不安の“正体”に気づくことが大切です

今ご紹介した方法を試せば、きっと今夜は少しラクに眠れるはずです。
でも同時に、こんな気持ちも残っていませんか?
- 「明日もまた同じように不安になったらどうしよう」
- 「応急処置でごまかしているだけかも」
そう感じるのは、とても自然なことです。
なぜなら、眠れなくなる“不安の正体”をまだ整理できていないからです。
不安の根っこがぼんやりしたままだと、いくら対処法を試しても、また同じ夜を繰り返してしまいます。
だからこそ大切なのは、「自分の不安はどこから来ているのか?」に気づくこと。
次の章では、あなた自身の不安を整理できる「自己診断のステップ」をご紹介します。
一緒に少しずつ、“心を軽くするヒント”を見つけていきましょう。
自己診断|あなたの不安は“仕事”?それとも“人間関係”?

眠れない夜に襲ってくる不安は、ただ「仕事が大変だから」だけではありません。
本当は「人にどう思われるか」「関係が壊れるのが怖い」など、もっと深いところに原因がある場合が多いのです。
でも、不安の正体は人によって違います。
だからこそ、まずは自分自身の不安を丁寧に見つめていくことが大切です。
ここからは質問に答えて紙に書き出すだけの自己診断をしていきましょう。
1つひとつ答えていくうちに、不安の正体が少しずつ見えてくるはずです。
STEP1|仕事の不安を見つめる
眠れない夜、頭の中にいろいろな考えが浮かんでくると思います。
人によっては「仕事のこと」が気になって眠れなくなることもあるかもしれません。
もちろん不安の理由は人それぞれですが、ここでは一例として「仕事」をテーマに整理してみましょう。
本当に怖いのは“仕事そのもの”なのか、それとも“その奥にある気持ち”なのか、少しずつ探っていきます。
診断質問(紙に書いてみましょう)
- いま一番気になっている「仕事のこと」は何ですか?
- そのことを考えるとき、心の中ではどんな気持ちが強くなりますか?(例:焦り、恥ずかしさ、孤独感)
- その気持ちの奥には、どんな怖さがありますか?(例:嫌われるのが怖い、役に立てないのが怖い)
- その不安は「誰かに認められたい」「安心したい」など、どんな願いにつながっていますか?
- 今の自分の心に、もう一人の自分が寄り添うとしたら、なんと声をかけてあげたいですか?
ワーク
この質問をひとつずつ紙に書き出してください。
とくに最後の問いは「自分への手紙」のように書いてみましょう。
「大丈夫だよ」「よく頑張ってるね」と文字にするだけで、不安な心に寄り添えるはずです。
解説
このステップで気づけるのは、「不安の奥には“怖さ”だけでなく“願い”もある」ということです。
“ミスをしたら怖い”の裏には、“認められたい”“安心したい”という心の叫びが隠れています。
そのことに気づくだけで、不安を「ただの敵」ではなく「大切なサイン」として受け止められるようになります。
STEP2|人間関係の不安を見つめる
仕事をテーマに振り返ってみると、「実は人との関わりが心に影響しているかも」と気づく人もいるかもしれません。
たとえば「ミスをすること」そのものよりも、「そのあとどう思われるか」「嫌な顔をされるか」が怖い、というように。
ここでは、不安の裏にある“人とのつながり”に目を向けてみましょう。
診断質問(紙に書いてみましょう)
- 最近、心をざわつかせている人との関わりはありますか?
- その人に対して、一番怖いと感じているのはどんなことですか?
- その怖さの奥には、どんな思いが隠れていそうですか?(例:嫌われたくない、役に立てていないと思われたくない)
- その思いを正直に言葉にすると、自分は本当はどんな関係を望んでいると思いますか?
- その願いを持っている自分に、もう一人の自分が優しく声をかけるとしたら、なんて言いますか?
ワーク
質問に沿って答えを紙に書き出してみてください。
「怖さ」と同時に「本当はどうしたいのか」という願いを書き出すことで、不安がただの苦しみではなく、心のサインとして見えてくることがあります。
解説
人間関係の不安の奥には、「私は大切にされたい」「安心して人と関わりたい」という気持ちが隠れていることがあります。
そのことに気づくと、不安を敵として押し込めるのではなく、自分の心に寄り添うきっかけにできるかもしれません。
STEP3|不安の本当の姿に気づく
ここまで「仕事」「人間関係」という切り口で、自分の心を見つめてきました。
書き出してみて、あなたはどんな気づきがありましたか?
もしかすると
- 思っていたより「人の目」が気になっていた
- 「仕事の不安」の裏に「認められたい」という願いがあった
- 自分に「大丈夫だよ」と声をかけるだけで少し落ち着いた
そんな発見があったかもしれません。
不安はただの敵ではなく、「こうありたい」という心の願いを教えてくれるサインでもあります。
「私はこんな気持ちを持っていたんだな」と理解することが、心を軽くする第一歩になるのです。
気づいたあとにできる小さな一歩

不安の正体に気づくだけでも心は少し軽くなります。
でも、気づいたうえで「次にやる行動」を決めておくと、脳は「もう対処した」と感じて不安が収まりやすくなります。
ここでは今日からできる、小さな行動の例を紹介します。
眠る前に「不安を紙に預ける」
STEPで整理した不安や願いを紙に書き出し、机に置いておきます。
「これは明日の自分に任せよう」と思えると、脳は「対処済み」と判断し、不安が落ち着きやすくなります。
1日の終わりに「ありがたかった人」を思い出す
人間関係での不安ばかりに心が向くと疲れてしまいます。
そこで、「今日ありがたかった人」を一人だけ思い出して書いてみましょう。
「人間関係=怖いもの」から「人間関係=支えになるもの」へと認識が切り替わりやすくなります。
「完璧じゃなくてもいい」と確認する
眠る前に「今日ちょっとミスしたけど大丈夫だったこと」を一つ思い出します。
「失敗しても大丈夫だった」という記憶が“行動の裏づけ”になり、不安が和らぎやすくなります。
信頼できる人に小さく話してみる
不安は一人で抱えると増幅します。
「今日ちょっとしんどかった」と一言でも信頼できる人に伝えることは、不安に対処する大きな一歩です。
これもまた、脳が「対応済み」と感じて安心しやすくなります。
最後に

夜に不安で眠れないのは、あなただけのことではありません。
人間関係や仕事のプレッシャーの中で毎日がんばっているからこそ、心が休まらなくなってしまうのです。
この記事では
- 今夜できる応急処置
- 不安の正体を整理する自己診断
- 気づいたあとにできる小さな行動
を紹介しました。
不安は“弱さ”の証ではなく、「本当はこうありたい」という願いのサインかもしれません。
その願いに気づき、少しでも心に寄り添うことができれば、不安の感じ方は必ず変わっていきます。
眠れない夜に全部を解決する必要はありません。
今日できることをひとつ選んで実践する。その積み重ねが、きっと安心できる夜へとつながっていきます。
あなたはもう十分にがんばっています。
どうか今夜は、少しでも心を休められますように。
もし「誰かに気持ちを打ち明けたい」「自分の心をもっと理解したい」と思ったら、ココハレのサービスを利用してみるのも一つの方法です。
たとえばココハレ文通では、安心できる環境で今の気持ちを手紙のように書き綴ることができます。書くことで心が整理され、誰かに受け止めてもらえる安心感につながります。
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