脱出方法が分からず、今の状況を変えたいのに、どうしたらいいのか分からない。
その行き場のなさは、本当にしんどいものだと思います。
抜け出したいと願えば願うほど、出口が見つからない焦りや不安が大きくなって、ますます苦しくなってしまいます。
人は誰だって、ずっと苦しい環境に居続ければ心が疲れ果ててしまいます。
動けなくなったり、何をしたらいいのか分からなくなったりするのは、決して弱さではありません。
だから「逃げたい」「抜け出したい」と思うのは、怠けやわがままではなく、生き延びようとする大切な反応。
心がこれ以上傷つかないように、「もう限界だよ」と知らせてくれているサインです。
人は、安心できる場所や、少しでも楽しいと感じられる環境の方が、自然と力を発揮できます。
逆に、しんどい場所に無理に居続けることは、誰にとっても消耗が大きすぎるのです。
だからこそ「逃げてもいい」「休んでもいい」という道は、堂々と選んであげてください。
立ち止まることや遠回りをすることは、失敗ではありません。
それは次に進むための準備であり、自分を守るための大切な時間。
休むことに罪悪感を持たなくても大丈夫です。
そして
一番大切なのは、やっぱり自分自身です。
もし本当につらくて、もうダメだと思ったときは、そのときこそ、自分を最優先にして行動してあげてください。
その選択はわがままではなく、生きていく上で欠かせない、とても大切なことだから。
出口が見えないときほど、「守っていいのは自分なんだ」とどうか思い出してください。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
自己犠牲タイプ
本当はとてもつらいのに、「どうにかしなきゃ」と自分を追い込んでしまう一面があるのかもしれません。
人は追い詰められると、逃げるよりもまず「まだ耐えられるかも」とがまんしてしまうことがあります。
その背景には、責任感の強さや、周りに迷惑をかけたくないという優しさが隠れていることが多いのです。
心理学でも、こうした「自己犠牲的になりやすい傾向」は、裏を返せば人とのつながりを大切にできる力だといわれています。
出口が見えなくても「なんとかしよう」と思えるのは、それだけ真面目で責任感がある証拠です。
がまんしてしまう自分を責める必要はありません。
その姿勢は、確かに人に安心や信頼を与えられる、あなただけの強みでもあるのです。
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