「嫌われたくない」「関係を壊したくない」
そう思って本音を言えなくなるのは、とても自然なことです。
それだけ友達とのつながりを大切にしている証でもあります。
頭では「ちゃんと伝えたい」と思っていても、心が「対立になってしまうのでは?」とブレーキをかけてしまう。
ここには「0か100か」の考え方が影響しているのかもしれません。
でも実際には、本音を伝えるにもいろんな“グラデーション”があって、白黒はっきりさせる必要はないんです。
たとえば、いきなりストレートに言うのではなく
「こうしてくれたら嬉しいな〜」とお願いのように伝えてみたり、
「こう思ってるんだけど、あなたはどう思う?」と相談ベースで聞いてみたり。
そんな風にやわらかく言葉を選ぶことで、相手も受け取りやすく、自分も少し安心して伝えられるかもしれません。
また、「嫌われたくない」という気持ちが強すぎると、相手を大切に思う優しさが、いつのまにか執着のようになってしまい、自分を苦しめてしまうこともあります。
大好きな人に本音を言えないことって、とてもつらいですよね。
でも、本音を少しずつでも伝えることで「それでも受け止めてもらえた」という安心感が生まれ、むしろ関係が近くなることもあります。
そして、もし自分の思いを伝えることで距離ができてしまったとしたら…それは悲しいことですが、同時に「安心して自分を出せる関係」を見極めるきっかけになるのかもしれません。
すべての人と完璧な関係を保つ必要はなく、残ってくれる関係こそが、あなたにとって安心できるつながりなのだと思います。
あなたの「人を思いやる力」はとても素敵なものです。
その優しさをなくす必要はありません。
ただ、少しだけ自分に自信を持ちながら、無理のない範囲で言葉を選び、本音を添えてみてくださいね。
きっと、その一歩は大切な人との関係をより豊かにしてくれるはずです。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
つながり優先タイプ
人との関係をとても大切に思うあまり、無意識のうちに「相手を優先しなきゃ」と考えてしまう傾向があるかもしれません。
心理学では、対人関係における「自己犠牲スキーマ」と呼ばれる考え方があり、優しさの裏側で自分の気持ちを抑えてしまうことがあります。
でも同時に、それは「相手の表情や言葉を敏感にキャッチできる感受性」を持っているということ。
その繊細さがあるからこそ、人との関係を長く丁寧に育てていけるのです。
あなたの「人を大切に思う力」は、信頼関係を築くうえで大きな強みになっています。
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