罪悪感を感じてしまうのはとてもつらいですね。
まず、その“罪悪感”をしっかり感じ取っていること自体が、あなたが本当に誠実でありたいと願っている証なんです。
本当に不誠実な人なら、こんなに心を痛めたりはしないんですよ。
そして大事なことは、嘘をつくこと自体が必ずしも悪いことではないということです。
人は誰しも、多かれ少なかれ嘘をついています。
「100%正直」な人なんていません。
どんなに親しい関係の中でも、ほんの小さな嘘やごまかしは必ずあるものです。
だから、嘘をついた自分を過度に責めなくても大丈夫。
あなたが罪悪感を抱くのは、それだけ人との関係を大切に想い、誠実にかかわろうとしているからなんです。
もちろん、その嘘が誰かを傷つけたり、だまし取ることにつながるのであれば手放したほうがいい。
けれど、相手を守るための嘘や、関係を円滑にするための小さな嘘なら、誰にでもある“人間らしい営み”です。
そうした誠実な嘘は、人と関わる上で自然に生まれてくるものだから、あまり自分を責めないでほしいのです。
ただ、どうしても罪悪感が消えずに自分を傷つけてしまうときには、少し振り返ってみてください。
どんな場面で嘘をついてしまうのか。
そのとき、何を守りたかったのか。
そこにはきっと、あなたの大切にしている価値観が隠れています。
その価値観を見つけられると、嘘以外の方法で自分を守ったり、誠実に振る舞ったりできる道が見えてきます。
嘘をついてしまったからといって“ダメな自分”になるわけではありません。
むしろ、罪悪感を感じられるあなたは、それだけ誠実で、関係を大事にできる人なんです。
どうかそのことを忘れずにいてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
誠実タイプ
あなたは人との関係をとても大切にしていて、誠実でありたいという気持ちが強い人かもしれません。
心理学的には「完全誠実」を求めすぎると、ほんの小さな嘘でも強い罪悪感につながりやすいとされています。
でも実際は、どんなに親しい人との間でも、小さな嘘やごまかしは人間関係の潤滑油になることもあります。
それでも自分を責めてしまうのは、人とのつながりを壊したくないという優しさの表れ。
その罪悪感の裏には「人を大切にできる誠実さ」という大きな強みが隠れています。
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