叶えたい夢があるのは、本当に素敵なことですね。
うつの前と比べて「頑張れなくなった」と感じるのは、決して怠けているからでも弱くなったからでもありません。
ただ、あの頃が異常なほど頑張りすぎていただけなんだと思います。
あのときは、無理を押して走っていた。
心も身体も限界まで踏ん張っていたからこそ、異常なほど頑張れていたんです。
その経験があると「なんであのときほど頑張れないんだろう」というもどかしさを感じてしまう気持ちも、よく分かります。
でも、同じように頑張るのはとても心配です。
前と同じ速さで進めないとき、じぶんを責めるよりも、「今のじぶんが頑張れる範囲で、どう進んでいくか」を考えることが大切です。
夢を叶えても、心と身体が壊れていたら、その幸せを喜ぶことはできません。
だからこそ、まずはじぶんを大切に整えることが夢に近づくいちばんの近道です。
心と身体が健康なら、人は何度でもやり直せます。
諦めなければ、何度でも進めます。
だから、頑張れないじぶんを否定せず「これが今のじぶんなんだ」と受け入れて進んでほしいなと思います。
ちゃんと前に進めています。
きっと大丈夫です。
だから、どうかじぶんをもっと大切にしてあげてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
再生タイプ
あなたは、かつての自分を基準にして「もっと頑張れたはず」と思ってしまうほど、努力と責任感の強い人かもしれません。
心理学では、過去の成功体験や限界突破の記憶が「本来の自分=常に頑張れる自分」という信念をつくることがあります。
そのため、心や体が回復のモードに入っても、頭の中では以前のスピードを求めてしまうのです。
けれど、そんなあなたは「再び歩き出そう」とする強い生命力を持っています。
休みながらでも夢を見続けられるあなたの姿勢は確かに立ち上がる力そのものです。
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