直接注意できれば簡単かもしれませんが、それができない関係性だったり、言葉にすることで空気が悪くなってしまうのは避けたいものですよね。
だからこそ、相手を変えようとするよりも、じぶんの認知をやわらかくしてあげるほうが、気持ちが少し楽になるかもしれません。
人生のゴールや大切にしたいものは、人によって違います。
「仕事を通して成長していきたい」という人もいれば、「ほどほどに働いて、プライベートを大切にしたい」という人もいます。
あの二人は、きっと後者なのかもしれませんね。
「仕事はきちんとやるべき」という、じぶんの中の“べき”をそっと緩めてあげるのも、心を楽にするひとつの方法です。
そして、もしかしたらその奥には「羨ましさ」の気持ちもあるのかもしれません。
「なんで自分だけこんなに頑張ってるんだろう」
「もう少し楽してもいいんじゃないか」
そんな気持ちが少しでもあるなら、思いきって“力を抜く練習”をしてみてください。
ラジオ感覚で二人の話を聞き流してみたり、あえてちょっとだけ“だらだら”作業をしてみたり。
そうやって肩の力を抜くことで、気づかないうちに心が整っていくこともあります。
誠実に仕事に向き合うあなたの姿勢は、きっと周りから信頼されています。
頑張っているじぶんも、気になってしまうじぶんも、どちらもあなたの一部です。
どうか責めずに「よく頑張ってるね」と心の中でやさしく声をかけてあげてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
誠実バランスタイプ
あなたは、仕事に対してとても誠実で責任感の強い人かもしれません。
一度任されたことは最後までやり遂げようとする意志があり、手を抜くことが苦手です。
その真面目さは「自分の価値=きちんとやること」と無意識に結びついていることもあります。
だからこそ、周りがゆるく見えると、自分の努力が軽く扱われたように感じてしまうのです。
心理学では、こうした感情は「公正感」への強い感受性として説明されます。
人とのバランスを大切にし、チーム全体の誠実さを守ろうとする心の働きです。
それはつまり、あなたが「信頼される人」でありたいという願いを持っている証拠。その誠実さこそが、周りの人から厚い信頼を集める、あなたの大きな強みです。
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