「誰かに何かを言われている気がして落ち込む」
その感覚は、とてもつらいものですよね。
「気にしなきゃいいのに」と頭では分かっていても、どうしても気になってしまう。
でも、実はその「誰かの声」は、外の世界からではなく、自分の内側から聞こえていることが多いんです。
人の目が気になるというのは、自分で自分を見る目が少し厳しくなっているサインかもしれません。
たとえば、
「ちゃんとしなければ」
「失敗してはいけない」
「迷惑をかけてはいけない」
「もっと考えなきゃいけない」
そんな自分ルールがいつのまにか心の中にできていて、それを基準に〇×をつけてしまうことがあります。
そのルールは自分だけでなく、周りの人にも向けられていきます。
「もっとこうすればいいのに」
「普通はこうするよね」
そうやって心の中で人を評価してしまうと、その評価の目が今度は自分自身に向かってくるようになります。
つまり「誰かに何かを言われている気がする」その正体は自分が自分を厳しく見ている目なのかもしれません。
心の中の「〜であるべき」という思考が、あなたを疲れさせてしまっているのです。
でも、忘れないでください。
これは悪い癖ではありません。
それだけあなたが正しくあろうと頑張ってきた証なんです。
誰かの期待に応えようと一生懸命に生きてきたからこそ、人の表情や言葉に敏感になったのだと思います。
だから、これからはその厳しさを少しずつ緩めていきましょう。
人の目ではなく、自分の感じ方を信じてみる。
「ちゃんとしなきゃ」よりも、「今の自分でいいかもしれない」と言ってあげる。
そんなふうに、自分の心にやさしく触れてあげてください。
そして、人を評価する目を少し減らしてみる。
「この人の魅力はなんだろう?」
「あの人はあの人でいいんだ」
そう思えるようになると、不思議と自分のことも「これでいい」と思えるようになります。
人を見る目も、自分を見る目も、少しずつやさしくしていけたら、その分だけ心が軽くなっていきます。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
内省タイプ
あなたは、人の小さな表情の変化や声のトーンにとても敏感で、周囲の空気を深く感じ取る力を持っています。
その繊細さゆえに、何も言われていなくても「もしかして私のこと…?」と感じてしまうことがあるかもしれません。
自分の中にある評価の目や不安が、外の世界に映し出されて見えるのです。
けれどそれは、人の気持ちを丁寧に感じ取れる繊細な感受性の証でもあります。
あなたのそのやさしさと洞察力は周りに安心感を与えられる大切な力です。
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