本当につらくて、しんどい経験だったと思います。
その環境から抜け出すというのは、とても勇気のいる決断であり、大きな一歩だったと思います。
長い間、緊張や恐怖、怒り、悲しみの中で過ごしてきた心は、安全な場所に来ても、すぐには休まることができません。
体は止まっていても、心の中ではまだ警報が鳴り続けている。
そんな状態になることがあります。
いま感じている「しんどさ」は、もしかしたら
ようやく心が感じられるようになった合図なのかもしれません。
本当に大変な中でずっと我慢していた気持ちが、少しずつ顔を出しているタイミングなのだと思います。
そして、どうか忘れないでほしいのは、パワハラはどんな理由があっても許されない行為です。
じぶんに原因があったわけではありません。
理不尽な態度や言葉を受け続けると「じぶんが悪かったのかもしれない」と思い込んでしまうことがあります。
でも、それは長く続いたストレスと恐怖がそう思わせているだけなんです。
だから、どうかじぶんを責めないであげてください。
まず大切にしてほしいのは、何よりも“休むこと”です。
罪悪感や焦りのせいで、表面的には「大丈夫」と思っていても、心の奥では全然休めていないことがあります。
今まで頑張ってきたぶん、どうかゆっくりと休んで「じぶんのしたいこと」を優先してあげてくださいね。
そして、少しずつ心と体が落ち着いてきたら、じぶんと向き合う時間を大切にしてほしいと思います。
何がつらかったのか、なぜそう感じたのか、相手にどうしてほしかったのか、そして、じぶんはこれからどうしたいのか。
過去のじぶんと対話するように、優しく問いかけてみてください。
心の想いを理解してあげることで、少しずつモヤモヤが軽くなっていきます。
でも、決して無理はしないでくださいね。
つらい環境から抜け出せたことは、本当に大切なことです。
今はただ、安心できる時間を増やして、じぶんをゆっくりと休ませてあげてください。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
優しさを背負うタイプ
人との関係でトラブルが起きたとき、無意識のうちに「自分が悪かったのかもしれない」と責任を感じてしまうことはありませんか。
それは、相手の感情を敏感に感じ取りすぎるほど、共感力が高い証拠です。
心理学ではこうした人は「高感受性(HSP)」傾向を持ち、周囲の雰囲気や言葉を深く受け取ってしまうと言われています。
その優しさが時に自分を責める方向に向かうだけ。
でも本当は誰よりも人の痛みに寄り添える、あたたかな力を持っている人です。
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失敗やつらさを感じたとき、自分を責める代わりに「よく頑張ったね」と声をかけること。このじぶんへのやさしさは、心の回復力を高め、再び前に進む力をくれます。これは自然な感情であり、あなたの強みや優しさにもつながります。