モヤモヤして「考えなきゃいいのに」と頭では分かっていても、ついつい考えてしまうことってありますよね。
だけど、じぶんが苦手だと感じる相手と距離を置けたのは心に寄り添った大切な行動だったと思います。
人は「嫌だった記憶」ほど強く記憶に残るようにできているので、時間がたっても、ふとした瞬間に思い出してしまうのは心がまだ整理しきれていないサインでもあります。
でも、それは「まだその人に未練がある」わけではなく「じぶんを守るために学習している」途中の反応です。
もう同じような傷を受けないように心がちゃんと覚えてくれているんですね。
そして、何度も思い返してしまうのは心の中に「まだ納得できていない部分」が残っているからなのだと思います。
「本当はもっとこう言ってやりたかった」
「普通はこうするだろ」
そんな感情が眠っていたりしませんか?
その感情を押さえつけてしまうと、心はどうしてもモヤモヤしてしまいます。
直接その人に伝えてみるのも一つの方法ですが、できればあまり関わりたくないですよね。
だからまずは、よく頭で考えてしまうシーンに対して「強く言うのは難しいから、今度こういうことがあったらこうしよう」と、心が納得できる代替案を考えてあげてください。
全部は叶えてあげられなくても、部分的にでも納得させてあげられると少しだけ落ち着きます。
それでもモヤモヤしてしまうときは、別の方法で感情を出し切ってみてほしいなと思います。
イライラしたら、ちょっと体を動かして感情をぶつけるように運動してみたり、クッションを殴ってみたり、大声を出してみたり、誰かに話してみたり。
モヤモヤは一度発散しても何度か顔を出してくることがあります。
そのたびに感情にふたをせず、迷惑にならない方法で何かに感情をぶつけてみてほしいなと思います。
何度か繰り返していくうちに、少しずつ心が落ち着いてくるはずです。
そして、つい考えてしまうじぶんをどうか責めすぎないであげてくださいね。
離れてもモヤモヤしてしまうくらい、それだけ頑張ってきた証拠でもあります。
感情を押さえつけようとするのではなく、どうしたらその想いに応えてあげられるかに、そっと目を向けてみてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
思いやり深い反芻タイプ
あなたは人との関わりの中で感じた出来事を、丁寧に振り返る力を持っている人かもしれません。
心理学では、過去の出来事を繰り返し考えてしまう傾向を「反芻(はんすう)」と呼びますが、これは決して悪いことではなく、心が自分を守ろうとしている自然な働きでもあります。
「どうしてあんなことを言われたんだろう」「自分は悪かったのかな」と考えてしまうのは、それだけ他人との関係を大切にしている証拠です。
優しさが深い人ほど、関係を壊したくなくて自分を責める方向に向かいやすいもの。
けれど、その思慮深さや繊細さは、人の痛みに寄り添える大きな強みでもあります。
あなたの感じやすさは、誰かの心をあたためられる優しさの形なんです。
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