とてもつらいですね。じぶんだけが頑張っているような感覚が続くと、どうしてもイライラしてしまいますよね。実は、そのイライラの原因は「班員が努力しないこと」そのものというより、じぶんの頑張りがきちんと認められていないことに傷ついているからこそ、強い感情としてあらわれている場合があります。
もし同じ状況でも、班員から感謝の言葉があったり、周りの人がじぶんの努力に気づいてくれていたら、ここまで大きくイライラしなかったかもしれません。だからこそ、まずは一番近くにいるじぶん自身が、その頑張りをしっかり認めてあげることを大切にしてほしいなと思います。「よくがんばってるね」と、じぶんにたくさん声をかけてあげてください。がんばっているじぶんをたくさん甘やかしてあげてください。
そしてイライラしたときは、その感情に蓋をしなくて大丈夫です。ぼこぼこにしたいくらいイライラするなら、その気持ちも含めてしっかり感じてあげてください。可能であれば紙に書きだしたり、誰かに話してみたりすると、感情の整理につながることがあります。
怒りの奥には「もっと大切にしてほしい」「てきとうに扱わないでほしい」という願いが隠れていて、その想いに気づいてあげるだけで心が少し軽くなることがあります。
また、じぶんひとりが全部を背負うのは、とてもつらく負担も大きいことです。すべてを抱え込むことは、必ずしも優しさではなく、相手の成長の機会まで奪ってしまうことにもつながります。だからこそ「じぶんが背負いすぎていないか」「どこまでが本当にじぶんの役割なのか」ゆっくり整理してみてくださいね。
そのうえで、どうしても対応しなければならない部分が残ることもあると思います。そういうときこそ「自分軸」での選択を意識してみてください。「じぶんしかできるひとがいないからやらされている」ではなく、「全体がスムーズに進むように、いまはじぶんが負担することを選んでいる」という主体的な捉え方に変えるだけでも、心の負担が少し軽くなることがあります。
最後に、今感じている想いは、どれも大切な心からのサインです。どうか無理をしすぎず、じぶんに寄り添って、じぶんに優しい選択をしてあげてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
責任感フォーカスタイプ
相手が手を抜いたり役割を果たさないときに強くイライラしてしまう背景には、責任をとても大切にする心の傾向が隠れていることがあります。
心理学では自分の役割を過度に引き受けてしまう人ほど、周囲の行動の変化に敏感になりがちだといわれています。
それは、物事をきちんと進めたい気持ちや誰かが困る状況を避けたい気持ちが人一倍強いからです。
そのぶん、認められなかったり感謝されない状況に直面すると、心の中で大きな負荷がかかってしまうことがあります。
でも、この強い責任感は物事を前に動かし、チームを支える大きな力でもあります。
あなたのその誠実さは確かな強みです。
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承認欲求
人はだれでも「自分の頑張りを認めてほしい」という欲求を持っています。この欲求が満たされないと、怒りや虚しさとして表面化しやすくなります。あなたが感じたイライラは、心が「もっと大切に扱ってほしい」と伝える正常なサインです。
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責任感の過剰化
責任感が強い人は、必要以上に役割を背負ったり「自分がやらなきゃ」と思い込みやすい傾向があります。これは幼少期の経験や性格的な誠実さから生まれることも多いです。責任感の強さはチームの支えになる大切な力です。
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怒りの二次感情
心理学では、怒りは「本音の感情」を守るために生まれるとされます。本当の気持ちは悲しさ、寂しさ、疲れ、不安などの“一次感情”かもしれません。イライラするのは弱さではなく、心が必死に自分を守ろうとしている証拠です。
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貢献欲求
人は自分が役に立っていると感じると、心が安定しやすいという傾向があります。あなたが班のために頑張るのは、この貢献欲求が強いことのあらわれでもあります。だからこそ、軽視されたり感謝されない状況で強く傷ついてしまうのはとても自然なことです。
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自己効力感
「自分はやればできる」という感覚のことを指し、行動や成果への自信につながります。負担の大きな役割でも引き受けられるあなたには、この自己効力感がしっかり育っています。その力が、周りを支え、チームを前に進めている大切な強みになっています。