頭では「完璧じゃなくてもいい」と理解していても、心がなかなか納得してくれなかったり、実際の場面になると力を抜けなかったりしますよね。
その葛藤のつらさ、きっと長い間あなたを悩ませてきたのだと思います。
完璧にやろうとする姿勢は本来とても素敵な強みなんです。
手を抜くことに抵抗があるのも、うまくいかないと落ち込むのも「もっと良くしたい」という向上心があるからこそ。
その気持ちのおかげで、これまでうまくいったこともたくさんあったはずです。
それは弱さではなく、あなたの中にある大切な力なんですよ。
一方で、その価値観が強く働きすぎると、本来なら休むべきタイミングでも
「まだできるはず」「もっとやらなきゃ」と自分に厳しくなりすぎて、エネルギーを削ってしまうことがあります。
そうすると、できなかった部分ばかりが目についてしまい、自分を責める気持ちにつながってしまうんですよね。
ただ、こうした考え方はこれまでの何十年という時間の中で積み重なってきたものなのですぐに変えるのはとても難しいことです。
だからこそ、急に手放そうとしなくて大丈夫なんです。
たとえば、まずは「納得はいってないけど、今日は9割の完成度で出してみる」みたいに、ほんの少しだけハードルを下げる練習をしてみたり、それも難しければ「手を抜けないと思ってしまう自分に気付くだけ」でも十分です。
どうしても手を抜けない日があるなら、無理に変えようとしなくていいんです。
手を抜けないほど真剣に向き合ってきた自分を、まずは「よくやってるよ」と認めてあげるところからで大丈夫。
その積み重ねの中で「これでもいいのかもしれない」という感覚が少しずつ育ってくると、心の重さもゆっくりと軽くなっていくかもしれません。
どうか無理はしすぎず、あなたのペースで進んでいけますように。
その頑張りは、ちゃんと伝わっています。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
誠実さで踏ん張るタイプ
あなたは、物事にまっすぐ向き合う誠実さを持つ方かもしれません。
完璧にやろうとする背景には、責任感の強さや「ちゃんとしたい」という価値観がしっかり根付いている傾向があります。
心理学ではこうした人は自己基準が高く、その基準を守ることで安心感を得ることが多いと言われます。
そのため、ペースを落とすことに不安を感じたり、自分を責めやすくなったりすることがあります。
でも、それは「向上心がある」「大切なことほど丁寧に扱える」という力の裏返しです。
そんな誠実さは、あなたの大きな強みです。
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