自分を責めてしまうのは、とてもつらいことですよね。
きっと心の中に「ここまでできたら合格」というラインがあって、そこに届かなかった部分を見つけては、自分に厳しい言葉を投げかけてしまうのだと思います。
なぜそんなに自分を否定してしまうのかというと、それは「こうなりたい」という理想を強く持っているから。
向上心や責任感があるからこそ、完璧を求めすぎてしまうんです。
でも完璧主義の人は、「責める」ときも完璧にやりがち。
だからこそ、あえて「できたこと」に目を向けてあげることが大切です。
合格ラインに届かなかったとしても、実際には60%や80%くらいは達成していることが多いはず。
小さな達成を「これもできた」と拾っていくと、自分を責める声も少しずつやわらいでいきます。
そしてもうひとつ大切なのは、自分を責める声の正体を知ってあげること。
その心の深いところには「大切にしたい」「ちゃんとしたい」という想いが眠っているのかもしれません。
実は、自分を責める声はあなたを苦しめるためではなく、守るために生まれていることがあります。
「失敗しないように」「人を傷つけないように」と、もう一人の自分が必死で守ろうとしてくれているんです。
もし責める気持ちが出てきたときは、心の中で問いかけてみてください。
「なんで責めちゃうのかな?」
すると、「失敗したくなかったんだね」「ちゃんとやりたかったんだね」と、その奥にある想いに気づけるかもしれません。
そして最後に、心の中のもう一人の自分にそっと伝えてあげてください。
「守ってくれてありがとう」
そのひとことが、責める声を少しやさしいものに変えてくれるはずです。
責める気持ちの奥にあるのは、あなたのやさしさと真剣さ。
どうかそれを否定せず、受けとめながら歩んでいけますように。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
理想追求タイプ
あなたは「もっと良くしたい」「ちゃんとやりたい」という理想を大切にするタイプかもしれません。
心理学では、このような人は自己評価を「理想の自分」と比べがちで、自分に厳しくなりやすいといわれています。
一方で、その厳しさは「成長したい」という強い向上心の証でもあります。
理想を描ける人は、未来に希望を持ち続けられる人。
自分を責めてしまうのは、それだけ真剣に生きている証拠です。
その誠実さや責任感は、あなたの大きな強みです。
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「もう一人の自分」に問いかけたり、感謝を伝えることで、責める声がやわらぎやすくなります。