怒りを向けられることが続くと、とても心がすり減ってしまいますよね。
それが大切な身近な人からであればあるほど、傷は深く残りやすく、苦しさも大きくなると思います。
けれど現実には、すぐに距離を置くことが難しい場合もあります。
生活の事情でどうしても関わらなければならなかったり、「身近な人だからこそ離れてはいけないのでは」と感じてしまうこともあるでしょう。
その葛藤もまた、あなたにとって大切な感情のひとつです。
まずはその複雑な気持ちを否定せずに受け止めてあげてください。
「つらかったね」「よく頑張ってきたね」と、声をかけてあげてくださいね。
もし離れることが心の安心につながるのであれば、その選択を大切にしてほしいと思います。
いきなり関係を絶つ必要はありません。会う頻度を減らす、会う時間を短くする、返事を落ち着いてからにする。
そんな小さな工夫も「距離をとる」という立派な方法です。
それは冷たいことでも逃げることでもなく、心を守るための健やかな工夫です。
また、苦しさを和らげるために「実際にどうしたら離れられるか」を計画してみるのも良いかもしれません。
たとえ実行しなくても、「こういう選択肢もあるんだ」と思えるだけで心は少し軽くなることがあります。
どんな選択も、間違いではありません。
離れることも、離れられないと感じることも、どちらもあなたにとって大切な気持ちです。
無理をせず、気持ちをないがしろにせず。
安心できる距離の取り方を、自分に許してあげてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
思いやりタイプ
あなたは人との関係の中で「大切にしたい」という気持ちがとても強いのかもしれません。
心理学的に見ると、こうした人は「関係維持欲求」が高く、たとえ傷つく場面があってもつながりを簡単には手放せない傾向があります。
その一方で、自分の安心や境界線よりも相手を優先してしまい、苦しさを抱え込んでしまうこともあるでしょう。
でもそれは、裏を返せば「人とのつながりをとても大切にできる人」だということ。
その思いやりの深さこそが、あなたの大きな強みです。
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