午前と午後でやる気に波があるのは、とても自然なことです。
人の体にはリズムがあって、力を発揮しやすい時間もあれば、少しペースを落としたくなる時間もあります。
最近その差を強く感じるのは、体や心が「ちょっと休みを取り入れてね」と合図を送っているのかもしれません。
知らないうちに生活のリズムが変わったり、気を張ることが増えたりすると、そうしたサインが出やすくなるものです。
考えてみると、それは一日を乗り越えるための“処世術”とも言えるかもしれません。
ずっと全力では疲れてしまうからこそ、午前はゆるやかに過ごして午後に備える。
そう思えば「午前中に重い=ダメ」ではなく、「午後に走るための助走期間」と意味づけできそうです。
もしできれば、作業の内容を時間帯に合わせて振り分けてみてください。
集中が必要なことは午前に、ルーチンや軽めのことは午後に。
波を“敵”ではなく“味方”として受け止められると、心も少し楽になるかもしれません。
また、ときには心理的な要因が関わっていることもあります。
「仕事そのものが憂うつに感じる」
「特定のタスクや人間関係を思うと重くなる」
そんな背景が隠れている場合もあります。
余裕があるときは「どんなときに特に重くなるのか」「大丈夫に感じる日との違いは?」と振り返ってみるのもおすすめです。
一言メモに残すだけでも、自分のパターンが見えやすくなります。
自分のリズムを知ることは、責めることではなく、自分を守る力につながります。
午前や午後の重さも、あなたを支える大事なヒントかもしれません。
どうか「うまくできない」と思うよりも、「自分を守ろうとしているんだ」と優しく受け止めてあげてくださいね。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
ペース配分タイプ
もしかするとあなたは、自分のエネルギーを無意識のうちに調整できる「ペース配分タイプ」かもしれません。
人は一日中ずっと同じ集中力を保てないものですが、あなたの体や心は自然にブレーキとアクセルを切り替えているように見えます。
心理学的にも、こうした自己調整の力は「持続可能性(サステナビリティ)」につながる大切な資質と考えられています。
午前の重さを助走期間ととらえる発想は、まさに自分を守りながら成果を出す力の現れです。
一気に走るのではなく、長く走れるリズムを作れること。それはあなたの大きな強みだと思います。
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