進路を勝手に決められてしまうと、
「自分の気持ちは置いてけぼりなんだ」と感じてしまいますよね。
悔しさややり場のない思いがあふれて、つらくなるのは自然なことです。
そのうえで…もしできそうなら、
親御さんの言葉の奥を“カウンセリングするような気持ちで”聴いてみてもいいかもしれません。
「なんでそう思ったの?」
「そう考えるきっかけがあったの?」
「将来的にどうなったら嬉しいの?」
そんなふうに問いかけてみると、
表面の“進路を押す言葉”の裏にある、
親御さんなりの不安や願いが見えてくることがあります。
まず相手の声を聴いたうえで、納得できるならその道を選んでもいい。
もし納得できない部分があるなら、
「自分はこう思っている。だからこっちの道に進みたい」
と本音を伝えてみてください。
先に相手の想いを聴いてあげたぶんだけ、
こちらの言葉も受け止めてもらいやすくなり、
状況が変わっていくこともあります。
そして、どんな言葉をかけられたとしても
「それでも自分はこうしたい」と思えるその気持ちは、
ずっと大切にしてあげてくださいね。
親よりも親らしくふるまうのは少し不思議に感じるかもしれませんが、
その関わり方はきっと、これからのあなたの力になっていくはずです。
あなたはこんな一面が隠れていませんか?
自己決定タイプ
「進路を勝手に決められるのはいやだ」と感じるのは、自分の人生をきちんと自分で選びたい、という強い意識があるからかもしれません。
心理学的にも「自己決定感」が高い人ほど、将来への満足度や幸福感が高まると言われています。
人に流されるよりも、自分の納得を大事にしようとする姿勢は、とても健全で大切なこと。
あなたが抱いているその“選ぶ力”は、これからの進路だけでなく、人生のいろんな場面で支えになっていきます。
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